市の税収増加の街は住みやすい?
埼玉県の川口市が、市民税と固定資産税を合わせた市税収入が、今年度の見込みより34億円多くなり、バブル期以来35年ぶりに補正を行ったというニュースを読みました。
川口市はある民間会社の「本当に住みやすい街大賞」にも選ばれています。
増収の理由を問われた市長のコメントでは、市内ではマンションの建設が相次ぎ(固定資産税収入の増加)、都内から所得の高い若い層が移住してきている(市民税収入の増加)」という背景があるようです。
市ではワクチン接種財源としても活用するそうです。
このように、住民の転入だけでなく企業誘致すれば雇用が生れ、固定資産税収入も増加します。
税収が増加した市は、医療や子育て支援の財源にしたり、道路や橋などの公共物を改修したり活用しています。
企業や個人と同じで、収入が増えれば、福利厚生を充実したり、子育てや住宅環境を整えることができます。
住みやすい街の目安の一つに、市の財政が上向きなのか、そうでないのか、チェックポイントとなります。
浦安市が全国有数の財政力を背景に、住みたい街に環境整備していることを見れば納得が行きます。
住みたい街=資産価値の高い街です。
税収増加率の高い街(市・都区部)は
自治体四季報による税収増加率の高いランキングベスト5でみると次の通りです。
東京都は、①中央区 ②渋谷区 ③品川区 ④港区 ⑤墨田区のように、都心部が多くみられます。
千葉県は、①流山市 ②印西市 ③勝浦市 ④浦安市 ⑤茂原市など、個人の住宅として人気のあるところが目立ちます。
神奈川県は、①川崎市 ②横浜市 ③相模原市 ④海老名市 ⑤鎌倉市で、大きな町で利便性の高いところや歴史のある市が特徴です。
埼玉県は、①さいたま市 ②和光市 ③坂戸市 ④新座市 ⑤朝霞市のように、坂戸市を除いて川口市と同様、東京周辺部が目立ちます。
市の施策や立地などで人口が増え税収が上がる→増収分で色々と整備する→さらに移住者が増える、という好循環の街が住み替え先として注目ですね。
何事も、財源があってのこと、増収には必ず理由があります。
税収増加率の高い街ランキングは、ほぼ住みたい街ランキングと重なります。
それだけ生活者の視線は厳しくなってきたと言えるでしょう。
すまいる情報東京 代表取締役社長
公認不動産コンサルティングマスター
竹内 健二