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こんにちは。すまいる情報代表の竹内です。

もうすぐ12月4日は、アフガニスタンで灌漑用水路や井戸の建設を推進していた医師の中村哲さんが銃撃で亡くなって4年目の命日です。

 

医師として赴任した中村さんは、アフガニスタンの難民は、干ばつで農地が砂漠化し、飢えや渇きで病気に罹患していることを目の当たりにしました。

いくら食料や医薬品を援助しても、砂漠化が改善されない限り、永久に事態は変わらないと思った中村さんは、水源確保が医療行為そのものと見抜き、農作物で自立し健康になれるよう、診療から井戸掘りと用水路建設に拡大していったそうです。

 

 

食べ物を援助するのではなく、食べ物を作り、自立を支援する活動は、アフリカ・ガーナの最貧村に25歳で渡り、干ばつに苦しむ寒村で、率先して干ばつに強いパイナップルを栽培して現金収入を得る途を作った武辺寛則さんも同様です。

初の収穫を見ることなく、現地で事故によって27歳で亡くなった武辺さんは、村から長老として称えられた直後だったそうです。

村は今では、水も引かれ大きな産地になっています。

 

 

日本を語る枕詞で「資源のない国」というものがあります。

石油や天然ガス、稀少鉱物のことを資源と言っていると思いますが、それらのものは生死が分かれる極限状況では、二の次、三の次の資源です。

生きるための最重要資源は、水と食糧と住居です。

 

四季のある日本は、様々な食べ物が一年中採れ、木を切り出せば住居が作れます。

緊急時は木を売って現金を得られます。

雨や雪解け水を森林が保水し、養分のある水が川に流れ、海に注ぐと魚が集まってきます。

これほど生きる上で、循環できる根源的な資源はありません。

 

安藤広重の描く浮世絵の山は、はげ山が多くあります。

江戸時代は木造しかなく、火事もよく起こったので、乱獲していたのだと思います

今は植林して森が戻っても、間伐や保育ができずに山が荒廃しています。

 

中村さんや武辺さんが、命と引き換えに示してくれた水と食糧の大切さ、その活用法で世界に範を示すことが、日本の貢献できる分野の一つではないかと思います。

そして、その自然の美しさ、そこから生まれる食が、一番の観光資源として魅力になり得るものと確信します。

 

竹内 健二