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「すまいる通信11月号」 @すまいるたけチャンネル
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こんにちは。代表の竹内です。
先月は母が亡くなった月で、最後は昏睡状態でしたが私の誕生日を迎えた直後に、時を待っていたように命の灯が消えました。
この時期になると、時折、斎藤茂吉の処女歌集である「赤光」の中の、死にたまふ母という59首の挽歌を読みます。
茂吉が母の危篤を知らされ故郷に向かう汽車の中での不安な心から、臨終、野辺送り、葬儀後の回想という四部構成になっていて、一編の映画を見るような連作です。
良い映画がそうであるように、何度読んでも感じるところがあります。
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赤光は、日没前の赤々とした燃えるような太陽の色ですが、歌の節々に色彩を想起させる言葉が出てきます。
色で何かを見立てるとも言えますが、あるとき、私は自分の好きなものは「色」で見立てる傾向にあることを自覚しました。
「見立て」は日本人の得意とする感性です。神社の一角に富士塚を造って、富士山信仰の対象としたり、風鈴や虫の声で川面の涼風を見立てたり、和菓子など自然物を形で見立てたり、石庭などもそうですが、生活の中にしっかり溶け込んでいます。
人によって見立てるものが、形だったり、色だったり、音、香りなど、傾向が異なっているのも面白いですね。
私の場合はどうやら「色」のようです。皆さんはいかがですか。
自分の傾向を知って、ふと本棚を眺めてみると、著名に色の名が入ったものや、色が思い起こされる本が多いことで、ますます得心しました。
その中の一冊に人間国宝の染色家、京都嵯峨野在住の志村ふくみさん(現在98歳)の「一色一生」という題名の本があります。
京都に行く機会がこのところ増えて、改めて車中で読み直しています。
自然の植物などから炊き上げた染料で織った布は、元の植物の命の本質をより引き出して、それは素晴らしい色を創り出していらっしゃいますが、一色を極めるのに一生かかると覚悟されている気持ちが現れています。
志村さんの染物の作品タイトルも、松風、桜かさね、水瑠璃、など自然を見立てたものが多く、一枚の染物から悠久の自然の奥深さを味わえます。
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ところで自由自在という言葉があります。
もともとは仏教の言葉である「自在」は、心が煩悩の束縛から解き放たれて自由となって、何事でも思うがままに出来る力です。
「・・・ということにする」という見立てが、実物として本気で思うことができる日本人の能力は、自由自在そのものではないかと思います。
この能力を高めて、世の中から争いごとを無くし、生活の質を上げることに役立てられれば、世界に貢献できるものと確信しています。
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