こんにちは、代表の竹内です。
今年の桜の開花予想は3月15日頃とのこと、新型肺炎のことがありますが、奈良時代から続くと言われる花見の風習は、続くのではないかと思います。
桜の頃には、どうにか終息に向かって欲しいと切に願います。
奈良時代の花の象徴は梅だったそうですが、平安時代には桜に変わってきたとのこと、花見の目的は諸説ありますが、その一つに田圃の神様である「サ」の神様がクラ(鎮座する)神事というものです。
田植えが終わり、桜「サ神が降りてきて鎮座する」の花の下で、秋の豊穣を祈って宴会をしたという説は、頷けるものがあります。
日本の神様は宴会好きですからね。
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前回お伝えしました、信州小布施町には「まれびとみな北斎」という言葉があるそうです。
「まれびと」は、稀人とも客人とも書きますが、民俗学者の折口信夫が幸せを運んでくる来訪神を説明するために「まれびと」を用いました。
天保の改革の江戸で絵を描きづらくなり、晩年、小布施で絵を描いた北斎を、福をもたらしてくれる神様だと見立てているのだと思います。
そこから「訪れてくるよそ者は、みな客人、福の神」という考え方につながったのでしょう。
外から来る人を全て歓迎する意識が浸透していればこそ、人が吸い寄せられるのですね。
単に「お金を落としてくれる人(イヤな言葉です)」と見るか、「まれびと」として見るか、観光だけでなく、私たちの仕事にとって、とても啓発されました。
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文屋(ぶんや)という出版社の木下さんのブログで、「おじいちゃんのまきストーブ」という絵本が紹介されていて、さっそく求めて読みました。
森に一人で暮らすおじいちゃんの家に、偶然道に迷った若いカップルが訪ねてきて、一緒に暮らすようになり、カップルには子供も生まれます。
まきストーブが、他人同士をつなぐモチーフになっているのですが、他人同士が一緒に暮らす、家族の形を表現しています。
他人をまれびととして受け留めたのか、上野千鶴子さんが言うところの「関係家族」は、これから広まってくるような気がします。
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私は絵本が好きで、本屋さんに行くと絵本コーナーに寄ります。
皆様の中にも、福音館書店のお世話になった方がいらっしゃるものと思います。
絵本は、子供のためだけでなく、大人も読むべきという、たくさんの絵本を訳した柳田邦夫さんのような方もいらっしゃいますが、読むと素直に、謙虚になれるのが、大人にとって一番良いところだと思います。
柳田邦夫さんが訳した絵本に「エリカ」という、ナチスドイツ下で、アウシュビッツに連行される、赤ちゃんを連れた若いお母さんと、エリカと名付けられた赤ちゃんの実話の物語があります。
赤ちゃんだけは助けたいと思ったお母さんが、連行される列車の窓からコートに包んだ赤ちゃんを「どうか生きて!」と投げて、運よく偶然拾われ、その後ドイツ人家庭の子供として家族になった子がエリカです。
洋の東西を問わず、他人がまれびととして、家族になって大事にされることがあるのだなあと感慨深くなりました。
出会えた方、ご縁があった方と、お互いが「まれびと」になれたら、思いやりのある平和な世の中に、少しでも近付くのではないかと思います。
竹内 健二
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