こんにちは。
すまいる情報東京の代表、竹内健二です。
「家族遺産」を運営していらっしゃる高橋さんは、以前からの知り合いです。
アルバム印刷会社にお勤めのときに、「子が作る親の自分史」という企画を進めていらして、どうしてもそれを広めたくて独立してしまった方です。
自分で半生を書く自分史はよくありますが、、高橋さんらの作る自分史は、子が親にインタビューしながら作って親に贈るという点が特徴です。
まったく知らない他人が読んでも、とても心に響く内容になります。
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親は、改まって自分の半生を語ることはあまりないと思いますし、子も気恥かしいこともあり、親の半生を深く尋ねることはないのが普通だと思います。
そして、誰の目にも耳にも触れられることがない、市井の方が体験した歴史が膨大に埋もれてゆきます。
気付いた時は親は認知症になってしまっていたり、亡くなってしまった後です。
特に、現在傘寿80歳以上の方は、昭和12年日中戦争が始まった年以前のお生まれですから、ご本人や家族、ご親族が戦争の影響を受けていらっしゃることと思います。
インターネットが普及するにしたがい、自分の目で見ていないことや、聞いたことでない情報に左右されやすい環境になっているだけに、市井の人が感じた自分史が、なおさら貴重に感じます。
私の場合は、父は亡く、母は認知症になってしまいました。
母は、たまに記憶がはっきりする時があり、ヘルパーさんが色々と昔話を聞いてノートに残して頂くものを読みます。
お子さんのいらっしゃらない方は、年若い後輩が傾聴するのもいいですね。
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電通総研が調査したものに、親と子が、それぞれ「してもらいたいこと」「してあげたいこと」があり、家族遺産のホームページで紹介されています。
親がしてもらいたいことと、子供がしてあげたいことの気持ちの差が2倍以上離れているものは「電話をする」「花を贈る」だそうです。
電話もメールも、ちょっとの時間があれば出来ることですが、これがなかなか出来ない、親はただ声が聞きたいだけなのに、子のほうは用事がないと、それほど重視していない、わが身を振り返っても、あてはまります。
まして親の耳が遠くなると、こちらも大声で話すのに疲れてしまって、だんだんと電話もしなくなりがちです。
でも、自分の子供との間を考えてみると、家の中で特に話をしなくても、そこに居る、というだけで心安らぐ気持ちになります。
話が通じないなら、ただそばに居るだけでいいのかもしれませんね。
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小津安二郎監督の「東京物語」では、田舎から子供たちのところへ上京した両親が、忙しく生活に追われている子供たちに、あまり構ってもらえずに寂しく帰郷する姿が描かれています。
もともとはアメリカ映画を下敷きにしているそうですが、その後ドイツ、イタリア、台湾などの名監督が東京物語をオマージュした作品を作っていますので、どこの国にもある普遍的なテーマなのでしょう。
親はお客さん扱いで構ってもらいたかったのではなく、子供たちに自分の生きてきた平凡でささやかな人生だけど、どんなことに喜び、また悲しんだか、聞いてもらいたかったのではないかと思えるようになりました。
そして、なぜ私が今の仕事が好きで、ご年配のお客様が多いのか、解ってきた気がします。
竹内 健二
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