こんにちは。
すまいる情報東京の代表、竹内健二です。
私は、藤沢周平さんの時代小説が大好きで、特に名もない市井の庶民や下級武士を描いたものが好きです。
東京オフィスがある日本橋小伝馬町も、ときどき舞台になりますが、江戸時代の町名の対比表を手に、小説の舞台を歩いてみるのも楽しみの一つです。
新浦安は昭和の戦後に埋め立てて創った街ですので、時代小説には登場しませんが、江戸も海側は埋め立て地が多く、100年後の歴史小説の舞台に新浦安がなったら面白いだろうと思うと、新浦安が100年続くことに何か役に立たなければと思います。
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ベストセラーにもなった「親の家を片づけながら」という本があります。
親の家を相続したのだが、親を失った喪失感と遺言もなく残された品々をどうしてよいか途方に暮れて5年たってしまったお話です。
親を失うことについて、フランス人の著者は「人はいつか父と母を失い、孤児になる。子どもはできるだけ、親の死というものから目をそらそうとする。
いつまでも自分と一緒にいてくれることを願い、日々の忙しさにかまけることで、親がいつかは去っていくことにずっと気づかないふりをする。
しかし、たとえ老いや病という前触れがあったとしても、親の死は突然訪れる。
そして、残された子どもは、言葉を失うことになる。」と書いています。
著書には「親が残したラブレター」という続編があります。
親が残した荷物の中に、第二次世界大戦をはさんで、アウシュビッツ経験も含めて3年間離れ離れになったあいだに交わした数百通の手紙があり、なかなか読む決心がつかずに、意を決して読んで知らなかった両親の歴史の断面を知る物語です。
今回のプライベート相談の事例は、知ってしまったことで5年間家に近付けなかったお話です。
それほど「事実を知る」ことは、自分の人生にとって衝撃力があります。
言われてみれば、私も両親の歴史は知らないことだらけです。
不動産の仕事で、片付けをお願いすることが多いのですが、自戒を込めて、無頓着に残された荷物を粗大ゴミ扱いしないようスタッフ一同で徹底したいと思います。
人生の節目でお役に立つ不動産会社を目指す私たちは、この「親の死」という節目に登場することが大変多くあります。
そこには、十把ひとからげに出来ない、お一人お一人の記憶と物語があります。
私と両親の関係が、社会一般ではありふれたものであっても、個々には私の人格や血肉に影響しているという点で一般化できないようにです。
政策や大量販売では、「ひとくくり」にすることで効率やコストダウンをはかります。
その面では良いのですが、それは「ひとくくりにできない」ことをすくい上げるものがあって、ワンセットでバランスがとれるものだと思っています。
私共は、すくい上げるほうを受け持ちたい、という想いで不動産会社としては、ごく少数のほうですが、同じ想いでやっていらっしゃる様々な専門家と組んで、良きバランス役になりたいと願っています。
竹内 健二
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