暑中お見舞い申し上げます。
この原稿を書いている時点では、沖縄が梅雨明けというニュースが入りました。お元気でお過ごしでいらっしゃいますか。汗かきの私は木陰を選んで新浦安の街を歩く日々です。

この時期は、涼しい家の中で、撮り溜めたテレビ番組を見ることが増えてきます。先日は、私の大好きだった女優さんで、若くしてお亡くなりになった本田美奈子さんと岩谷時子さんの番組を見ました。本田さんは作詞家の岩谷時子さんが惚れ込んだ方、岩谷さんは本田さん主演のミュージカルの訳詞をたくさんされています。私はその詞の長年のファンです。大正5年生まれとのこと、大正の方はお元気な方が多いですね。フランクシナトラの有名な「マイウェイ」という歌の訳詞もされています。

よく歌われるのは「♪いま船出が~」で始まる別の作詞家の方が訳したほうです。マイウェイを「すべては心の決めたままに」と訳しています。一方、あまり歌われることがない岩谷さんの詞は、マイウェイを「誰でも自由な心で暮らそう、私は私の道を行く、いつも私のやり方で」という意味を持たせています。たとえ他人から見れば、些細な、または平凡な生き方のようでも、どんな人の人生も肯定する、そんな慈愛を感じます。

昨年から創業100年以上の老舗大企業が倒産したり、今までの高収益企業が赤字になったりと、安心確実と言えることは、ますますなくなってきた世の中ですね。折りしも、今、日本は、また浦安も、本格的な老齢化社会を迎え、団塊世代の方が大定年時代を迎え、若い方にあっては就職が見えない等、すべての世代が先が見えにくい世の中を進んで行く時代です。こんなときはこうすれば良い、という結果が約束された確実なお手本がない時代とも言えると思います。岩谷時子さん訳のマイウェイは、このようなお手本がない時代を生きる私たちに授けてくれた応援歌のような気がします。

私共は、それぞれのマイウェイが、自分勝手に我を通すことではなく、お互いの我が道を尊重しあって絆が生まれるよう、不動産の仕事を通して地域のコミュニティづくりの一隅を照らす存在になりたいと願っています。いつか皆様のマイウェイの物語をお聞かせ頂ける日を楽しみに思って、暑中のご挨拶をさせていただきます。

竹内 健二