私の大好きな俳優、高倉健さんのエッセイに「あなたに褒められたくて」という、とてもいい本があります。「あなた」というのはお母さんのことです。健さんは、お母さんが亡くなった時、火葬場でお骨をかじったくらいですから、お母さんに対する気持ちの深さは相当なものです。
私の母は今年85歳、故郷に一人暮らししていて今でも饅頭屋さんで働いています。私にとって母は、菩薩のような人です。何せ生まれてから一度も怒られたり叱られたことがないのです。何をしても「偉いねえ」と言ってくれ、悪さをした時でも「健ちゃん(私も健です)にもそうしたかった理由があったんだね。」という具合です。反対に亡父はスパルタでした。でも愛情から出たスパルタなので今でもとても有り難く思っています。
私にとっても「あなたに褒められたくて」は母そのものです。小学校から帰るや否や、母が仕事から戻ってくる前に大急ぎで洗い物して帰ってきた母がびっくりするのを見て嬉しくなったり、漢字があまり読めない母に新聞を読んであげるために漢字を覚えたり(おかげで小学校は六年間国語はオール5を通でした)、そんな毎日でした。
そんなことで、子供のころから人を喜ばすことが好きで習慣になりました。「喜んでもらう」というと殊勝でまじめ過ぎるかもしれません。喜ばす、びっくりさせる、の方がぴったり来るような気がします。そして、一歩進んで「褒められる」ような関わりをしたいというのがいまの願いです。現金を配ればどなたにも「喜んで」もらえますが、褒められることはありません。ですから、喜ばれることから一歩進んで、褒められるようにしたいのです。
すまいる情報新浦安では、「あなた」は「ご縁が出来たお客様」にあたります。あなたに褒められたくては、お客様に「さすがだね、安心して任せられるよ、もっと頑張ってね」と褒めていただけることです。すまいる情報新浦安を、そのような会社にしたい、そう考えて少しでも近づけるよう、毎日頭と体を働かせて参ります。そのためには、お得意様からのどのような苦言も喜んで頂戴したいと思っています。一生、完成を目指しながら未完成のままだと思います。完成に向けて進んで行く途上を、皆様と共に喜び、また悲しみ、ほんの一部分かもしれませんが、仕事を通してご一緒させていただきたい気持ちでいっぱいです。
竹内 健二