今回は、3年がかりで家を売却した事例です。

今回の事例は現在進行です。

まだ成就していませんが、多くの方に共通する課題を含んでいると思いましたので、継続的にレポートすることで、お読みになった方のご参考になればと、取り上げました。

 

共通の課題とは「アンバランスの修正」です。

家や賃貸物件を持った時から20年、30年。

自分は老境に差し掛かり、定年や子供の独立、親の介護、自身の終活など、大きな節目を迎え、相続や、自分なき後の資産の運用のしやすさを考えると、アンバランスになっていることに気づく方が多くいらっしゃいます。

 

このような課題の解決をご一緒に実施することは、当社の仕事の大きな柱ですので、お役に立てる場面があると確信しております。

 

 

Yさんとは30年来の知り合いです。

お仕事が、工務店と一級建築士事務所の経営をされていたので、仕事上のお付き合いもありましたが、読書好きという点でもウマが合い、私より10歳以上先輩ですが、いろいろな議論をし合った仲でもあります。

 

Yさんから、久しぶりに連絡があり、70歳を機に、仕事の整理をして、今は、若干の設計の仕事といくつか持っている賃貸物件の収入がメインで生活しているが、自宅兼事務所が過大で負担になっている、持っている賃貸物件も、必ずしも奥さんや子供たちが管理しやすいものとは言えず、残された老生を自覚して、バランスのとれた、心配毎のない生活を築きたいので、手伝ってほしいということでした。

 

 

Yさんの事務所兼自宅は神奈川県にあります。

建物の広さは約90坪、事務所はほとんど使用しなくなり、お母様と住んでいた当時に二世帯住宅にした自宅には、3人暮らし。

使っていない部屋が4室もあります。

賃貸物件は、地方都市の古い木造アパートや地元以外のワンルームマンションなど。

 

昔は最適だった90坪の家

自分が元気なうちは良いが、いったん何かあれば、奥様や子供たちに管理運営するのは難しいですし、相続の時に分けづらいことも気にかかっていました。

働き盛りで、親と同居した時にベストだったバランスが、そのまま時間が過ぎて、まさにアンバランスの極みになっていることを実感しました。

 

今回、当社にご相談を決意されたのは、このままでは、現状が特に困った状況ではないので、漫然とやり過ごし、心身ともに疲れてきたときに慌てて対処療法をする将来が見えたからだと話されました。

心のどこかに、引っかかるものを携えて旅行や好きな事をしていても、丸ごと楽しめない気持ちもあったようです。

まして、自分が病気になったり、老人ホームに入ってから、面倒な事に煩わされるのは真っ平ごめんということもありました。

 

 

Yさんとは、これからも計画を進めて行きますが、やはり大事なのは「何のために」ということと、限りある時間で「はずせないこと」を明確にすることです。

世間では、対策のための対策のようなハウツーがたくさん喧伝されていますが、そのような万人向けの方策ではなく、最終第4コーナーで「ああ、いい人生だな」と自分も、回りも思えるような場をつくる、不動産的対処が必要なところでは、私たちがプロとしてお手伝いする、不動産に関係しない部分は、持てる情報や人脈を提供する方針にしました。

 

 

Yさんの「何のために」ははっきりしています。

限りある老生の時間でバランスのとれた生活を築く、というものです。

そのための方策が、不動産の整理や組み直し、収入の確保、残される家族の面倒事を事前に対処しやすくしておく、などになります。

 

ご夫婦が好きな浅草の商店街

「はずせないこと」は、優先順位をつけることでもありますが、好きな事、どうせやるなら、これだけは実現したい、というようなことになります。

ご夫婦とも旅行好き、下町が好き、という共通項があります。

「広すぎる自宅から引越す、近くに越すなら今のままでもいいのだから、思いきって好きな場所に住みたい。」という奥様の「はずせないこと」をきっかけに、浅草などの下町に住むか、地元の小さな家+浅草に別荘か、いろいろなプランを楽しんで頂いている最中です。

 

私たちの不動産的解決のお手伝いとしては、90坪もある自宅兼事務所を売却するのか、3分割にして貸すのか、売った場合は、収入になるアパートをどこに買うのか、地方の物件は整理するのか、浅草に住むなら、どんな家にするのか、資金の手当ては?、という点になるでしょう。

 

かつてはバランス良く最適だった資産の形も、時が経っていつの間にかアンバランスになってしまった、気にかかることを整理してバランスよく老後を送りたい方に、私たちは「不動産の整体師」となってお手伝いしてお役に立ちたいと願っております。