実際のところは?
3.11震災から2年経ちます。被災した浦安の不動産の2年間を、階段の中休みする”踊り場”とすれば、お休みも終わり徐々に動き出す気配が見えます。それは、震災があってもなくても、ちょうど各世代が動く時期にあるためです。なんでもかんでも、液状化の影響と言われがちですが、この2年間を通じて言えるのは、マスコミが望む(?)ほど、暴落しなかったことです。
今度の税制改正に、あえて「乗っかる」ことも時には有効
震災で買う方も減りましたが、売る方もさほど増えなかった、市場は縮小しましたがバランスが大きく崩れなかったと言えます。ただし、細かに見て行くと、地域や広さ、価格帯によって、震災前とさほど変らない相場のものもあれば、大きく下降したものもあるのは事実です。2012年末に政権が変り、経済政策や税制が大きく変って行く2013年は”様子見”の方たちが動き出す年かもしれません。
どんなところが変り、また変わらなかったか
この2年、震災後に新築されたマンションは、自家発電を持ったり充分震災を意識した設計になっています。築10年を超え、築淺とはいいにくくなってきた海側のマンションは、買い手を近隣の新築に「取られた」傾向が見えます。それだけに販売が長期化しやすくなっています。一方、築30年前後の駅周辺マンションは、価格の買い易さもありますが、駅に近く敷地に余裕があるという、新築に負けない価値が築年数をカバーして、震災前の▲5~10%の価格で成約が目立っています。経済下降局面では、自然減とも言える下落率ですから、震災の影響はほとんど見られなかったとも言えるでしょう。
次号では、大定年時代を迎え、また、昭和50年代に住み始められた方の多くが70代を迎える新浦安で、「終の棲家」のあり方と、不動産の動きを捉えてみたいと思います。
代表取締役社長 竹内健二