浦安の路線価は震災後下がったままだが

7月1日に国税庁から相続税の基礎となる28年度の路線価が発表になりました。浦安の分譲地は前年と同じ、横ばいのところが多かったようです。概ね震災前の22年度の8割の価格です。浦安のマンション相場は、ほぼ震災前の相場に戻りましたが、土地は依然として8割の相場、実際の取引を反映した路線価の算定だったと推測します。

資産価値が上がることは嬉しいことでもありますが、売るつもりのない方にとっては、路線価が低水準であることは相続税評価額が抑えられることになり、必ずしも良いことばかりではありません。浦安の分譲地の路線価は、1㎡19.5万円(富岡4丁目)~24.5万円(美浜3丁目)の間、概ね22万円前後です。50坪の分譲地ですと、3200万円~4000万円になり、相続税の基礎控除3000万円の分岐点にあたるといっていいでしょう。

分岐点だから考えたい、生前贈与や二世帯住宅のこと

路線価が低いうちにやっておくと得なことは、夫婦間や親子間の生前贈与です。贈与の場合も、実勢価格ではなく路線価で計算します。つまり、路線価が低いほど、多く持ち分を贈与できます。浦安の自宅以外に、預貯金や債券、実家の土地などの財産がある方には、相続財産を減らすことも悩みの種です。亡くなった後の相続争いを避けるためにも、生前贈与は効果的ですので、一度検討してみてはいかがでしょうか。

また、誰が相続するかによって、自宅の相続税評価額は大きく変わります。同居している親族が相続した場合は、最大評価額が2割に減ってしまいます。5000万円の不動産が1000万円の評価に減額されることで、3000万円の基礎控除額に収まってしまうことがあり得ます(細かな要件は割愛)。二世帯同居は、老後や介護の安心であるとともに、相続税の節約にもなると言えます。

今後は形の違う財産を分ける難しさが表面化

日本人の財産の多くは不動産、それも自宅というのが特徴です。預貯金や債券などと違って、不動産は分けにくく、なおかつ自宅で住み続けるとしたら換金化もできません。相続トラブルの多くは「相続人の共有」から来ます。いざ何かしようとすると、共有者の承諾が必要ですし、自分だけで処分することもできません。相続で共有した土地に建て替えする際、住宅ローンを使うのであれば共有者全員が連帯保証人にならざるを得ないなど、とても複雑になります。形が違って、処分しずらい財産の相続は、できるだけ生前の元気なうちに準備を始めることが大事です。

当社では、顧問の司法書士や税理士と一緒にご相談にのっていますので、ちょっと気になる、という方はお声をかけて下さい。我々の商売になるかどうかよりも、地元浦安から揉め事を少しでも減らすことも地元貢献の一つだと思っています。

代表取締役社長 竹内健二