ほぼ横ばいの浦安の地価

国交省より地価公示が発表されました。地価上昇、というタイトルだけ見ると全般的に上昇したように見えますが、大きく上昇したのは訪日外国人、観光客に関連する地域や商業地で、住宅地は依然としてやや下落か横ばいという地域が大半でした。超定期金利の住宅ローンや住宅減税に支えられて「何とか横ばい」というのが実態と見られます。

若年人口の減少や、雇用の不安定など、大局的な流れからしますと、実際の住宅需要は一気に増えることは考えられず、横ばいというのは「善戦」と言えるかもしれません。一家に一戸という、高度成長期の持ち家志向から、親との二世帯居住、いずれは実家に戻る賃貸派の増加、元気なうちに老人施設へ入居など、生活価値感の変化が急速に広がっている実感がします。

”東京駅○分”という魅力が薄れてきている現在

新浦安の住宅の魅力を広告的に表現するとき、”東京駅20分圏内”という文句が使われます。しかし、昨今の電車乗り入れの拡大は目を見張るものがあり、例えば品川も新幹線が乗れたり、新宿から横浜へ直接いけたり、羽田から千葉ニュータウンに行けたり、「東京駅起点」の有難味が薄れて来ています。不動産広告的な「東京駅18分」というのを魅力に感じる方は減ってくるでしょう。

私は、地価の横ばいは「安定した生活設計」には良い一面があると考えます。バブルの恩恵も受けないかわりに、リーマンショックによる下落も余りありません。なぜかと言いますと、売買する方がほぼ地元限定だからです。価格が上下する要因は、外国資本も含めた「余所の方」の購買が大きく関わっています。この安定した地価が保たれている内に、腰を据えた新たな浦安の魅力づくりを進めて行くことこそ、お子さんや若い世代の未来につながって行くことだと思います。私共も、不動産実務の現場で、様々な提言をしていきます。

代表取締役社長 竹内健二