取引数だけは、震災前に戻った浦安

表は、大震災前の直近1年間と、3年経った今の直近1年間の、浦安市内の売買取引数の比較です(レインズデータより調製)。数だけ見ると「復活」したように見えますが、取引の中身や市外の開発状況はかなり変わりました。まだ市内での移動が多い「内需」型が続いていて、世帯調査によりますと、お若い層の人口はまだまだ増えていません。価格が安くなったことや、住宅ローン金利が依然として最低レベルなので、市内の賃貸に住む方が購入するケースが多く、賃貸の空家は増えて家賃も下がりました。取引量だけで「復活」とは言えない所以です。やはり、市の活力がアップするには、市外からお若い方たちが異動してくることで、売買も、賃貸も良くなり、資産価値のアップにつながってくると考えます。

 

大震災を、不動産面で見るとよかったこと

大震災によって、マンション購入する方は、耐震性や、管理組合の積立金や修繕計画に、とても関心を持つようになりました。一戸建て希望の方は、液状化や長期のメンテナンスなどへの関心が高まりました。
しかし、考えて見ますと、数千万円の長期ローンを組んで購入されるのですから、当然のことで、景気回復のアナウンスほどには給与も上がっていないという現実から、選択眼はとてもシビアになりました。
それだけ、浦安でなくてもいい、という選択肢が広がったとも言えますが、ムードだけでない実利で選ばれるようにななれば、不動産市場の透明性も上がり、長い眼で見て街と個人の財産にとっては良いことだと考えます。変わり行くご要望に応えられるよう、我々も毎年が精進です。

代表取締役社長 竹内健二