市の財政から見たコロナの影響

埼玉県の川口市の税収が、当初予算より34億円上回る見込みというニュースが出ました。

コロナ禍で税収減になる自治体が多い中、大変珍しい現象です。

所得のある人が転入して家を購入したり、会社が進出したりすると税収が増えます。

川口市はフラット35大手のアルヒが選定する「本当に住みやすい街大賞」で2年連続グランプリを取っています。

高度成長時代を生きてきた方には鋳物工場のイメージが強い川口市ですが、東京に隣接しており、東京と比べると住宅価格が安いこともあり、先月号でお伝えした通り「準都内」として所得のある若い層が移住してきて、マンション建設も盛んなことを市は増収の要因の一つとしてあげています。

 

いままで「裕福」だった街もコロナ禍で減収続出

国からの地方交付税をもらわず自主財源だけでやっている市町村を「裕福」な街と呼ぶことがあります。

東京では23区のほか武蔵野や三鷹など9市1町、埼玉は東京隣接の戸田、和光など3市1町、千葉は浦安はじめ成田や市原など7市、神奈川は工業地帯を抱える川崎や観光地の箱根など5市3町が、コロナ前は「裕福」な街でした。

しかしコロナ禍によって、様々な行政の計画が中止や延期になり、中には交付税をもらう「赤字」の街になるところも出てくる可能性が出てきました。

 

「裕福」な街は、道路やインフラなどを整えたり、保育園を造ったり、様々な手当てを出したりできるため、移住先として人気があります。

住み替えや投資などはコロナによって財政がどのように変わったのか、よく見極めることも必要な時代になって来ました。

 

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二