こんにちは、すまいる情報代表の竹内です。

新しい年が明け、アメリカ同時多発テロで幕開けし、世界的な災害や戦争、疫病に苛まれた21世紀最初の1/4の節目を迎えました。

次の1/4世紀は何をテーマに行動すれば良いのか、新年に思ったことは、それは「もっと遊びを」という事でした。

 

 

白川静先生の「字訓」によると、「遊ぶ」とはもともと狩猟や収穫を楽しんで歌舞すること、祭祀儀礼など神事に起因するものだそうです。

飛鳥時代の遊部(あそびべ)という職掌は、天皇の葬礼に際し、葬儀に必要な祭器などを用意し、歌舞を奏して鎮魂の儀を行なう役で、万葉集第一の歌人、柿本人麻呂も遊部所属だったとのことです。

 

 

ヨハン・ホイジンガ―が100年近く前に著した「ホモルーデンス」は遊びを学問的に研究した名著です。

遊びの反対概念が真面目というのが通念だった当時(今もですが)人間活動の本質が遊びであり、文化の根源であることを解明しています。

 

アメリカのメジャーリーグ野球で成功し頂点に立った大谷選手は、この著書に出て来る文言に沢山当てはまります。

「遊びの領域の中では日常の掟や慣習は何の効力もない(二刀流)」

「自己の優位を誇るために争うのが遊び(世界一の野球選手になりたい)」

「緊張の要素こそ、遊びの中では重要(ヒリヒリする9月を迎えたい)」

「遊びの領域外にあるのが報酬だ(何十億円盗られても気付かない)

など、大谷選手は、大いなる遊び人なのかも知れません。

 

 

もっと遊びを!遊び人と言えばホンダの創業者である本田宗一郎氏は、芸者遊びが大好きだったのは有名です。

遊んでいない人間に、売れる商品は作れないと言ったのは、人情の機微が分からなければお客様が欲しいものなど分からないという意味で、宴席で芸者そっちのけで仕事の話をしていた部下を翌日呼び出し、「芸者の話は仕事の話より大事だろ」と雷をおとしたそうです。

 

遊びの効用を考え、遊びが仕事に活きると考えたらいけない、目的を考えずに遊びに夢中にならなければいけないというポリシーです。

計算しない好奇心こそ、ヒット商品の大勝負に出た勇気の源泉です。

 

もっと遊んで、もっと人を知り、人情の機微を知る、ものや人を結び付け、心を解放する、これが次の四半世紀のテーマになれば、少しは平和になり、活気のある時代になるものと思います。

 

 

竹内 健二