定年=新卒の気持ちで
終活と言うと、死に支度のように相続準備や遺言、エンディングノート、身の回りの整理などのイメージがありますが、定年を新卒と捉えれば、明るく前向きな対応がたくさんできます。
新卒で就職はしませんが自由業開業の気持ちで臨んでみるのも楽しいと思います。
(竹内)
まずは健康【終活リフォーム】
Kさんは定年を機に自宅マンションをリフォームしました。
テーマは「家庭内事故を防ぐ」。
病気は運のようなこともありますが、事故やケガはある程度防げます。
老齢期の家庭内事故で多いのは「転倒」と「浴室内溺水」です。
そこでKさんは、バリアフリー化と浴室のリフォームに取り組みました。
Kさんのマンションは築40年近く、室内段差が普通の時代の建築でした。
幸い天井高が高めだったので、段差の低い箇所を床上げしました。
床上げして良かったことは、段差がなくなったことと、電気やテレビ配線を床下に通せたので、コンセントを増設することが出来て、配線に足が引っかかって転倒する恐れが減ったことです。
お風呂は余り広げられなかったのですが、またぎやすい高さで腰掛けられる浴槽にしました。
脱衣室に水滴が垂れやすい欠点はありますが扉を外開きにして、万が一のときに助けてもらいやすいようにしました。
ヒートショックによる昏倒で溺水する事故が多いと聞いていたので、手摺や緊急コールボタンも付けてもらいました。
遮音性も高くなる二重床方式
配線を下に通せてスッキリ
賃貸業開始【終活不動産投資】
Hさんから退職金活用として不動産投資のご相談を受けました。
基本的に退職金全てを投資に回すのはお薦めしません。
また奥様のご理解も得られにくいものです。
お話を伺うと再雇用でお仕事は続けられるとの事、小さめのマンションに住み替えも考えていらっしゃったので、退職金の一部を頭金にして、残りを住宅ローンで住み替えされることをご提案しました。
賃貸物件を買うのではなく、今までの自宅を貸すプランです。
投資物件のローンと違って、住宅ローンは金利も低く、生命保険も付くので万が一の時はローンが保険で完済されて安心です。
ご自宅のローンは終わっており、再雇用の給与でも十分返済できる範囲で住み替え先を探しました。
住み慣れた我が家が、貸すとは言え残ることと、ローン終了後は賃料収入が年金に加わるので、奥様も喜んで納得されました。
☆自宅の活用あれこれ☆
①相続した家に住んでいて売却
自宅を売却すると売却益に対して税金がかかります。
5年超所有している家なら税率は約20%。
もし相続した家なら、ほぼ売却価格=利益のケースもあります。
自宅の売却益に関しては3千万円まで無税という特例があります。
夫婦共有なら控除は6千万円まで広がります。引越し後3年以内の売却が期限です。
②二世帯住宅の親世帯が空いたら
玄関が二つあるか、増設したり間仕切りできれば貸すことが出来ます。
引っ越したくない方向けです。
③一戸建てを建て替えるなら
ある程度の土地の広さがあれば、半分自宅、半分賃貸という建て方があります。
銀行によっては、賃貸部分も一本の低利住宅ローンで扱ってくれます。
ローン返済の一部を賃料で賄えれば、家計が楽になります。
④リースバック
不動産会社等に売却した後、そのまま賃料を払って住み続けることが出来ます。
引越しが不要で、相続の時に現金で分けやすくできるメリットがあります。
長生きすると賃料を払い続けるため、現金が目減りするリスクもあります。