こんにちは。代表の竹内です。コロナ禍で、書籍の売上げが増しているそうです。
電子書籍が急増しているのですが、紙の本も販売が伸びているとのこと、コロナ特需に終わらないことを願っています。
私は画家や音楽家など、普段は言葉以外のもので表現をされている方の本が面白く、気づくことが多くあります。
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105歳で亡くなられた聖路加の日野原先生が、100歳前後の美術家に話を聞いた「100歳が聞く100歳の話」という本は、私が好きな画家ばかり登場していたので興味深く読みました。
対談者の中の、日本画家である堀文子画伯が100歳の時に出版された「ひまわりは枯れてこそ実を結ぶ」という本の装丁は、自身が70代の時に描かれた、枯れたひまわりの絵です。
私は、お客様や近親者の死に直面したり、仕事でご高齢や病気などの方に相対したときに、この絵に救われてきました。
堀画伯は若々しい満開のひまわりではなく、枯れて地面を向いて朽ちて行くひまわりを描いたときの心境を「大地を見つめる顔は敗北ではなく、そのやせた姿にも解脱の風格があった。
その顔いっぱいの種は、次の生命を宿し充実していた。死が生涯の華々しい収穫の時だという事を、ひまわりから学んだあの日を私は忘れない。」と書かれています。
この枯れたひまわりの絵を見て以来、出会った方はどんな種を持っていらっしゃるのだろう、と見つめることが、私の指針となりました。
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対談者の一人、髙山辰雄画伯も日本画家で95歳まで描き続けられました。NHKアーカイブスで「あの人に会いたい」という番組のエッセンスが視られます。
その中で、高山さんは「個性というものは好きではない。もっと万人の共感を探さなくてはいけない。」と覚悟されたと話されています。
人類共通で、どんな人にもあるもの、それが知りたくて描き続けていると。それが堀さんの「ひまわりの種」かも知れません。
皆さん一様に、歳を取ると知りたいことがどんどん出てきた、それを追い求め、でも未完で終わるだろうとおっしゃっています。
堀画伯の「起承転の結の『結』は、恰好つけるためだけのものです。
私には『結』がございません。『結』なしでこの世から消えていきます。」という心意気が爽快な気分にしてくれる真夏です。
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