国も優遇税制の「人参」で地方の空家対策へ

令和2年度の税制改正で「空家対策特別措置法」が出来る見込みです。

地方にある空家の多くは、所有者の死亡で住み手がいなくなり、相続した子供がそのまま放置するケースが多いのが実態です。

 

更地にすると固定資産税は6倍近くになるので、家はそのまま、手入れにもお金がかかるので放置し、ますます売るのも貸すのも出来なくなる、という負のサイクルに入ってしまいます。

 

相続した家の多くは、親が買った価格が分からなかったり、相当低い価格なので、売ると税金が発生します。

その売却益から100万円引いて税金計算して良いですよ、という措置法を作って、更地化、売却を促進しようという狙いです。

 

すでに、余りにも危険な建物は、行政が代執行して解体し、解体費用は所有者に請求できるように法改正されましたので、地方に相続した物件をお持ちの方は、気が気で無くなるかも知れません。

 

地方の次は都心近郊、そして都内へ

かつてのニュータウンといわれる都心近郊の空家が増えています。

働き盛りの30代に購入した方が一斉に老齢期に入ったためです。

 

若い方の傾向は、高度成長期と異なって、狭くても職場に近く生活が便利なところへシフトしています。

すでに空家の波は郊外から23区へ迫ってきて、空家数全国一位は世田谷、二位が大田区です。もちろん世帯数が多いので、空家率は地方のほうが高いですが・・・(空家率の一位は40%の夕張市)。

 

都市部になると、相続した方の固定資産税の負担も大きくなり、売却するか、自分が住むか、アパートを建てるか、地方の相続物件のように放置では済まない時代になってきたと言えます。

 


すまいる情報東京 代表取締役社長
竹内 健二