新年あけましておめでとうございます。
貴方様とご家族様の、ご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
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私は、毎年、いま一番気にかかっていることを心に描いて、大きめの本屋さんに飛び込みます。
一年の初めに読む本を求めるためですが、著者が呼びかけてくる本にします。
今年は、五木寛之さんの「ただ生きていく、それだけで素晴らしい」という本が目に飛び込んできました。
会社をプライベート相談中心にしたことで、たくさんのお客様の人生の一端に触れることになりました。
幸せに「標準的」とか「平均的」とかは無く、極めて個人的なものだと思いますが、それでも、自分の体験でしか実感できない基準で見れば、決して幸せとは思えないご相談に多くぶつかりました。
個人的なことで言いますと、大正13年生まれで今は認知症の母の子供時代、娘時代を想像し、私を生んでくれてからの生活を思い起こし、果たして母は幸せだったのだろうか、という気持ちと重なっていました。
母に対しても微力なのに、お客様に対しては、どれほどの力になれているのだろうか、何か答えが欲しかったのだと思います。
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そんなときに、目に飛び込んできた言葉が、五木さんの書名でした。
そのあと亡くなった義父の故郷の鹿児島で、林芙美子さんの有名な「花のいのちはみじかくて、苦しきことのみ多かりき」という歌碑が建ち、
最後に続きがあって、「・・・苦しきことの多かれど 風も吹くなり 雲も光るなり」という救いの二行があることを知ったり、どんどんつながる言葉が入ってきました。
年末に知人のアドバイザー橋本英雄さんに、いま会社でやっていることを話したら「それって、出会った人の明日の希望を一緒に創るってことじゃないの」と言われ、ピタっと自分の中で納まりました。
相手にどんな事情があっても、今日まで生きて来られたことを讃える本気の気持ちで向き合い、ご一緒に吹く風を感じ、光る雲を見られる一年にすると心に念じ、年頭のご挨拶とさせていただきます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
竹内 健二