”先輩”多摩ニュータウンと共通することは
表は、震災があった2011年と今年2015年の、4年間の年代別人口の増減数です。25~39歳の新婚、子育てエントリー世代が減少し、65歳以上のいわゆる高齢者が急速に増えています。
長期的に見れば、増え続ける高齢世代を、税収面でも、サポート面でも支える子育て層が増えないと、とてもバランスの悪い街になって行く恐れがあります。
そもそもニュータウン構想は、一度住むと長い期間住めるように設計していますから、住民の方が定着していること自体は、構想に叶った、住みやすい街という点で成功していると言えます。
先輩都市、多摩ニュータウンを例に比較してみますと、その違いは「坂道」と「エレベータ」、浦安は平坦でエレベータ設置率が高いですから、多摩よりも更に長期居住傾向に向かうでしょう。
計画都市ならではの「供給調整」が、若い世代の増加を阻む結果も
ニュータウンは、住宅が計画的に供給されますが、同じ世代が移り住み、そのまま年齢を重ねて行くという特徴があります。市民大学でも「中町を考える」という講座が開かれていて、今後の浦安市の重要なテーマとなるでしょう。
長期的に見れば、マンションの建て替えですが、10年、20年がかりの大事業ですから、おいそれと進むものではなく、かと言って、住みやすいということは移る方も少ないので中古住宅の流通も少なく、若い世代が増えるチャンスは少ない、住みやすいニュータウンならではの、特徴的な課題が、これからの浦安に増えて来ます。
住宅という「器」で解決できなければ、シェアハウスや空き部屋の下宿化など「住まい方」で解決して行く方向が一つあるでしょう。恵まれた環境と立地にある浦安が、「住まい方」でも、手本となる試みが出来れば、新たな街の魅力が増えるものと期待しています。
代表取締役社長 竹内健二